帰化申請のご依頼を受け、手続きを進めていきますと、色々な困難が生じることがあります。
その中でも、スムーズに進まない理由で一番多いのは、実は、
「同居の家族の協力が得られない」
というものです。
もちろん、帰化申請を進めるには同居の家族の協力が大前提となりますので、その旨を重々ご説明して、ご協力を得られること確認したうえで進めていきます。
ところが、実際に進めていくと、同居のご家族の収入関係の書類の協力が得られないケースが後を絶ちません。
そのご家族が、帰化されない場合は、特に、最初は協力する気があっても、自分のためではないことに、時間を割きたくないため、先延ばしにされてしまうのです。
具体的な例としては、
1年間に複数個所での給与所得がある場合などは、本来なら一か所で年末調整を行うか、それをしなければ確定申告をする必要があります。
帰化などしない場合は、義務はあっても実際に問題になることは可能性は低いため、わざわざ家族の帰化のために、確定申告をしたり、過去にやめた職場に再度源泉徴収票をお願いしたり、あるいは、アルバイトを転々としている場合は、どこで働いていたかも覚えていないところ、明らかにするために調べたり・・・と同居の家族でも、かなりの負担になる可能性があるのです。
これは、帰化申請をしない、同居の家族についても、きちんと申告をして、それに関する納税証明書の添付も必要となるため、必ず必要になります。
そういった事情のため、他の書類はそろっても、同居の家族の書類待ちで、他の書類の期限が切れたり、進められないということが結構あります。