「帰化の役立ち情報」カテゴリーアーカイブ

地方法務局で国籍課があるのは、神戸地方法務局と横浜地方法務局だけ

先日ある法務局で、帰化の書類点検を受けているとき。

 

職員の方とよく世間話をしたりすることがあり、その際に聞いた情報です。

 

「地方法務局で国籍課があるのは、神戸地方法務局と横浜地方法務局だけ」

というもの。

 

裏付けは取っていませんが、職員の話なので信ぴょう性ありです。

 

今まで全国様々な法務局、地方法務局への帰化手続をしてきました。

確かに大抵の地方法務局は、総務課、戸籍課などという課の職員が色々な仕事を1人の職員が掛け持ちしていて、その中の一つの業務が帰化というところが圧倒的に多い。

帰化される方の多い、大阪や神戸の方の帰化をメインでしていると、

他の地方も同じように帰化申請になれた職員が効率よく進めていくと思ってしまいそうですが、

実際には、帰化される方が少ない地方の法務局で、職員が対応する帰化の件数は、当事務所が受ける件数よりかなり少ないところがほとんど、という感じです。

 

話は、国籍課がある地方法務局に戻りまして、

神戸、そして横浜も地方法務局で国籍課があるということで、さすが代表的な港の二つの法務局だからなと、妙に納得してしまいました。

わたしの立場から言えば、国籍課がある法務局のほうが色々話が通りやすく(件数が多い分、色々なケースの経験が多い職員が多く話がすぐ分かってもらえる)進めやすいというのは確かです。

地方の法務局では、たまにわけの分からない必要書類を受付段階で指示されるところもありますので。

その話はまた別の機会にでも。

 

特別養子縁組の赤ちゃんの帰化申請

先日、少し珍しい帰化申請をお受けしました。

外国から特別養子として赤ちゃんを迎え入れられたご夫婦から、赤ちゃんの日本国籍取得に関するご依頼でした。

特別養子自体も珍しいうえに、その子の帰化申請ということで、事前に法務局に何度も相談させていただきました。

管轄法務局でも、初めての経験ということで、本当に貴重な経験をさせていただきました。

特別養子というのは、実父母との関係が切れるので、通常必要である、帰化申請人(今回は赤ちゃん)の本国書類などの請求ができないことのほうが多いと思われます。

取得できる限りの書類を集め、申請するしかありませんが、色々とノウハウも必要です。

 

帰化後の特別養子の戸籍の記載には、日本人と同様に民法817条の2の記載(特別養子縁組)と、従前の氏名、国籍などの記載はされるということです。

 

また、国籍法第8条二号の住所要件は、短期滞在ではダメで、日本人等の配偶者等の在留資格を有してから1年を経過する必要があるということですので、少なくとも1歳(+α)になってからの申請が必要となります。

 

非常にたくさんの方の帰化申請をお受けさせていただいてきても、いまだに初めての経験は毎日ようにあります。

これが帰化申請のお手伝いをするモチベーションが上がり続ける理由の一つですね。

 

 

実は、丸投げより高くつく自分で帰化申請

帰化を自分でするために法務局に予約を取っていかれる人はかなり多い。

ただし、その中のどれぐらいの割合の人が最終的なところまで自分で申請できているかというと、半分もできていないのではないかと思われる。

 

実際、当職がお受けする帰化の案件で、事前で法務局相談を済ませている人の割合は半分以上。

一回は自分でしようと法務局に行って説明を受けて自分では無理と判断をされ、専門家である当職に依頼されるという流れ。

 

中には、自分でかなり動いて書類をそろえたものの、何かの書類でつまづき何年か経ち、相談に来られる方もいる。

 

弊所では、行政書士の中でも費用的には最安を誇る費用設定としているところ、実際は司法書士事務所で、司法書士が受けている帰化申請と考えれば、ここまで安くできるところはないのではないかというぐらいで受けしている。

 

個々の事務所で費用設定は自由なので、他の事務所ではあてはまらないかもしれないけれども、弊所で言えば、丸投げしてもらったほうが、部分的に自分でするよりも結果的に安くなるケースが実際に多く存在する。

 

自分で帰化申請をするために、ひとつの壁となるのが、韓国籍の方であれば韓国書類の収集と翻訳。

他の書類が自分でできたとしても、語学ができなければ、自分で訳せないし、自分で訳せたとしても、仕事を持っている人が手続きのために翻訳をできる分量ではないので、結局は外注が必要となる。

 

この部分だけの外注は意外と高い。

運がよく少なく済む人はラッキーとして、通常は5万円前後、ひどい場合は10万円かかったという人もご依頼者の中にはいた。

丸投げしても変わらないぐらいの費用が韓国書類の収集と翻訳だけでかかってしまうことを考えれば、最初から丸投げがどれだけ、費用と労力、時間の得かは一目瞭然。

でも、実際には、このような事実を知っている人は少なく、取り合えず自分で

と考えるのは仕方のないことで。

 

最初から当職に依頼していただければどれだけよかったか、というご相談の電話ばかりです。

帰化申請は奥が深い業務。経験がものを言うが、経験を重ねても新しいことは毎日ある。

帰化申請は手間がかかる。

つける書類、作る書類が多く、労力が半端ない。

語学力もいる。

 

仕事にあまり困らない司法書士は、ほとんど手を出さない業務。

そのため、法務局への提出書類作成業務という司法書士業務にも関わらず、帰化の市場はほぼ行政書士が握っている状態。

 

登記もメチャクチャ奥が深いけど、帰化も同じぐらい興味深く面白い。

登記と違って、100人いれば100通りの帰化申請がある。

1人の人との関わり合いが深い。

 

今まで、きちんと数えたことはないけど、おそらく1200人以上の帰化申請をお手伝いさせていただいてきて、それでも、毎日新しいことの連続で、本当に飽きない。

帰化はその人の人生がかかっているし、またその人のこれまでの人生によって、帰化ができたりできなかったりする。

 

それだけたくさんの人の人生にかかわる仕事であり、その方の今までのほぼすべてといっていい情報をお預かり、日本人になる手伝いをさせていただいてる。

その方の収入や資産、学歴、職歴、犯罪歴、婚姻、離婚歴、破産歴、借金、父母や兄弟関係・・・etc

本当にその方の人生すべてといってもいい大切な情報を包み隠さず教えていただくことが必要なしごと。

 

登記と一緒で、感謝されることが多いのがまたいいところ。

 

中には、許可は出るのは難しいだろうというケースもあり、それでも許可が下りた時の、ご依頼者の笑顔が何よりもうれしい。

逆に、帰化申請した後に、新たに帰化が難しくなるような事情が判明したり、状況が変わったりして、許可が難しくなるケースでは、ご依頼者と同じぐらい落胆する。

それでも、毎日新しい経験と知識を得ながら、変化していく手続きにも対応しながら、他のどの仕事よりも

「対(たい)  人(ひと)」

というこの仕事は本当に心から好きな仕事。

 

1000人以上もの人と、それも深い情報のやり取りをしつつ、対応しておりますと、皆さんが想像できないぐらい、色々な人がいます。

 

同じことを同じようにお願いしても、一言で10できる人もいれば、ひとつしてもらうのに、10回説明しなければならない人もいる。

 

それもこれも含めて、「対 人」の素晴らしさ、面白さはこの仕事を、心から愛する気持ちを持って、楽しんでいる人にしか分からないのかもしれませんが、わたしは本当に好きですこの仕事。

 

法務局でも、

「前川先生の作る書類だったら大丈夫やろ」

と言ってもらえてる話を聞くと、ずっとそう言ってもらえるようにしないとな、とこの点でも日々勉強です。

 

決済を伴う不動産の売買など司法書士のしごとのうち、即金の仕事は、一発で1~3か月翻訳も併せてみっちり手間暇かかる帰化申請と同じぐらいの報酬です。

効率や利益を考えれば、帰化の費用を高くするか、(今は安すぎると言われていますが・・)、不動産の決済の仕事を増やすかすればいのかもしれません。

でも、自分的には全然そんなやり方興味ない。

 

人との関わりが何より素晴らしい。

帰化をきっかけに、別の仕事の相談もしてもらったり、他の人の帰化や別業務をどんどん紹介していただいたりします。

だから、帰化は安くてもよいかなという考えです。

 

日々、新しい「人」と出会えることに今日もたくさん感謝した日でした。

こんな時期だから帰化をする方が意外と多い

休み明け、帰化申請の面談の予約が意外と多いです。

 

こんな時期に帰化を?

と思われるかもしれませんが、このような時期だからこそ、色々な事を考え帰化を決心されるのが増えているような印象を受けています。

 

例年、確かに4月5月と帰化をされる方は多いのですが、4月はさすがに少し少なめでした。

5月に入った途端、行動に移す方が多いという感じです。

 

新型コロナウイルスの影響で、生活、仕事、教育、人との関係、本当に想像もできないぐらいの影響が発生していると思いますが、いつまでも同じ場所では立ち止まっていられない、前に進もうという気持ちを分けていただいているという感じです。

 

5月に入ってから帰化の面談に来られる方は、なぜか医療、介護関係の方が多いです。

 

微力ながらお力になれることに感謝しつつ、早く新型コロナの脅威なく暮らせる日がくることを願うばかりです。